浦岡 正義

四季雑感

蝶のこころ

猫の額ほどの庭に居て、のんびり眺めていると、蝶が花の蜜を求めて飛び交っている。花の数は知れているので、いくつか花を訪れてはまた、元の花へ戻るのが見える。 さっき行ったからよそうと思わないのか、それとも行ったかどうか忘れたのか、蝶の本心はどう...
四季雑感

O先生のハガキ

O先生に初めて会ったのは、医師になって1年目、文献を探すため医学部図書館へ行ったときだった。 当時40すぎの先生は筆頭講師の地位におられたが、新進気鋭の肝臓病学者としてすでに全国に名の知られた存在であった。図書室の机上に分厚い洋書を開き、熱...
伊予の風景スケッチ

石手川

たまゆらの 水辺の春は生まれけり
伊予の風景スケッチ

石手川 桜並木

ひとひらの 涅槃寂静 花に雨
伊予の風景スケッチ

石手川 桜並木

春霖や  諸行無常を 薄めけり
伊予の風景スケッチ

久万高原

小春日や  闇の向こうに わらべ唄
伊予の風景スケッチ

久万高原

落ち葉とて  所在はここと 申しけり
伊予の風景スケッチ

久万高原

寒の水  岩肌しかと 重くせり
伊予の風景スケッチ

久万高原

冬ざれや 歳ふりてなお 見えしもの
伊予の風景スケッチ

緑陰

緑陰や  10年を軽々と 過ぎゆけり
伊予の風景スケッチ

湯築城址

もののふの  通いし道や 冬深む
伊予の風景スケッチ

石手川ダム

万緑や  なみなみと夢 湛えたり
伊予の風景スケッチ

炎昼

炎昼の  街中を朱に 染めあげし
伊予の風景スケッチ

杖ノ淵公園

池の音の  たおやかにして 春の暮
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