日本列島が外敵から身を守るように、覆い囲むようにしてできたのが瀬戸内海であり、その中央に位置する伊予の国は大陸からの触手が伸びることもなく、過保護なまでに手厚く守られてきた。
台風など自然の脅威も四国山脈でさえぎられ、風雪におかされることなく、温暖な風土のなかで伊予人の気質は形成されてきたようである。
県外人からは、とりわけぬるま湯につかってきたと揶揄される伊予人ではあるが、さりとて安閑として日々を過ごしたわけではない。
長い歴史のなかで、伊予は常に中央から支配されてきた地域であり、様々な苦労や葛藤に悩みながらも体制に準じてきたのである。
中央からみた伊予はどのように映ったであろうか。
伊予からみた中央とともに各々の時代を振り返ってみようと筆を執った次第である。
謝辞:
このコーナーに登場する美麗な伊予の風景写真は、知人の安藤喜多夫氏のご好意により、氏の作品集”伊予の夕映え”、”来島海峡大橋”から掲載させていただきました。
深く感謝の意を表したいとおもいます。
氏は全日本写真連盟関西本部委員長という要職にあり、文字どおり愛媛を代表する写真家です。
伊予という風土がもつ独特の味わいを堪能していただけるとおもいます。
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