浦岡 正義

四季雑感

龍安寺石庭

京都での学会の帰り道、会場近くの龍安寺を訪れた。30年ぶりである。 枯山水で著名な方丈の前庭に数十人が足を止めて座り込み、ほとんど無言のまま見入っている。 旅の疲れを癒そうとするもの、石庭の白砂に描かれた観念的とも思える文様に作者の意図を見...
四季雑感

本音と建前

若きスイマーたちが、日本代表をかけて競っている。 4年前、20歳でトップに躍り出た子がすでに老いて、今はたちの子に首位の座を明け渡している。 筋力は20前にピークがきて、あとは鍛えても劣えるほうが早いということか?持久力はともかく、瞬発力を...
四季雑感

土佐の喘ぎ

名古屋国際マラソンを前にして、土佐礼子は心に期すものがあったろう。 名古屋のコースはいわゆる悪路で記録が出にくいといわれ、しかも試合前の土佐は1年以上足を痛めて練習もままならず、優勝の本命からほど遠かった。そこでみせた好記録での逆転勝ちは、...
日本人風雅考

技術について その1

近年、若き臨床医の目線は、間接的手法を飛び越え、直接、病変に迫る診断・治療へ一目散に向かっている感がある。 現実的とも短絡的とも揶揄される。 内視鏡の世界も目まぐるしい。 胃腸はいうに及ばず、肝臓・胆管・すい臓・膀胱・尿管・子宮へと次々にカ...
四季雑感

わが国の士

最近話題になっている前レバノン大使、天木直人氏の“さらば外務省”を読んだ。 そのなかで、駐米大使を務めた斉藤邦彦氏についての記述は興味深いものであった。 氏は外務省主流派のドンで、“ミスター外務省”と畏怖された人物だが、或る時、天木氏に 『...
四季雑感

土佐の異骨相(いごっそう)

学会で6年ぶりに高知を訪れ、25年前、高知の東南、安芸市で青春時代を過ごした当時の仲間と旧交を温めた。 仲間から、初めて土佐に来たとき何が印象的だったか?と聞かれ、自分の歓迎会の席で、揃ってコップ酒で乾杯してくれたことと答えた。 はたちそこ...
四季雑感

補償はいつまで?

医学生時代のことである。或る時、数人の仲間と宴席を囲んで、とりとめもない話をしていた。と、隣にいたK君がそばのO君に向かって、“お前んとこにはひどいめに会わされたからなあ”とやりだした。 よく聞いていると戊辰戦争の恨み節である。ちなみにKは...
四季雑感

名こそ惜しけれ

総選挙直前に、悪代官、藤井の首をとって自民党支持へ流れを一挙に加速しようとした官邸の思惑ははずれた。 5時間もかけて辞職の言質を取れなかった石原大臣の狼狽と道路公団藤井総裁の徹底抗戦が浮き彫りとなっている。 藤井氏は自分の身を西郷隆盛になぞ...
四季雑感

自殺を目論むひとびと

30年前、救急病院に勤務していたときのはなし。 夜間救急をしていると、自殺を図った若い女性が手首から血を流しながら運ばれてきた。 応急処置をしていると、“またこの子か。彼氏に捨てられそうになると、すぐ自殺を図って気を引こうとするんだから”と...
四季雑感

競争的共存

まずは興味深い実験成績を紹介する。 グルタミン合成酵素活性の高い(増殖の早い)大腸菌と、酵素活性の低い(増殖の遅い)大腸菌を一緒に培養すると、酵素活性の高い大腸菌だけが生き残ると思うのだが、何度繰り返してみても酵素活性の低い大腸菌がある程度...
四季雑感

気持ちを伝えるということ

敬愛するT教授が若かりし頃のはなし。 大学生であった先生が、はたち前の女性と恋におちたが、両親の許しが得られない。自分は大学をやめて働くから、明日駆け落ちしようということになった。相手の女性も必ずついていくと言ってくれた。 それが最後の出会...
四季雑感

アザラシ報道

アザラシの目の上に釣り針がささっている。あの角度で針を刺入するには誰かが操作しないとできまい。 心なきものがマスコミの眼を盗んで捕獲しようとして失敗したものか。なんとかしろという声が日増しにつよくなっている。 しかし、のた打ち回っているわけ...
四季雑感

電報

先日夜遅くにクロネコ大和が来て、電報を受け取った。不審に思いながら空けてみると、知人から子供の受験合格祝いであった。 電報を運んできたのがクロネコであったのも、意外であったし、電報というものがまだ現存していることに、ちょっと驚きを感じた。 ...
四季雑感

脳は死んでいるか?

勤務医時代のはなし。 主治医に代医を頼まれ、脳卒中で2年間寝たきりの老人を病棟回診したときのこと。 息はしているが目はうすく開いたまま、呼びかけにもまったく反応がない。 どう見ても植物人間である。 そばにいる奥さんに、意識のない人への空しい...
四季雑感

力を抜くということ

かつて当院にマスターズ水泳の全国チャンピオンが通院していて、70歳をすぎても毎日数キロの遠泳が楽しいと語っていたのを思い出す。華奢な体のあなたがどうしてそんな過酷なトレーニングに耐えられるのか不思議だというと、泳ぐのに力は何も要らないのです...
興味深い外国人

日本軍司令官 トルシエ氏

日本対ベルギー戦の瞬間視聴率は66%であったという。ロシア戦もおそらく同様であったに違いない。 とにかく、降って沸いたように俄かサッカーファンが現れ、テレビの前に集合したからこの高視聴率がうまれたわけで、連日ワールドカップのニュースを流しつ...
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