SIKI

四季雑感

四季折々、思いつくままに書いてみました。

判官びいき

四季雑感

四季雑感

判官びいき

NHKのドラマの高視聴率をみると、今でも義経人気は相当のものらしい。ともかく、わが日本の生んだ初めてのヒーローである。 しかし、ヒーローともなれば突如として歴史の舞台に現れ、大衆の熱望する夢を一挙に叶えるという大活躍をしなければならないから...
海外紀行

パリ紀行(1)

パリには、3度行った。学会帰りに2度寄ったのと、私的旅行が一度である。フランスには悪いが、あまりいい思い出がない。 1度目のパリは、日曜の朝。ルーブル美術館の前庭でいきなり話しかけてきたフランス人に、写真を撮ってやるという素振りに騙されカメ...
四季雑感

恐るに足らず近所の目

どんな社会でも、ひとりで生きてはいけぬから、まずは隣人を頼るのが世の常であった。 ところが、終夜開いているコンビニやスーパーが氾濫したおかげで、隣家の助けを求めることなど、ついぞ絶えて久しくなった。 さらに加えて、知らない人とは口をきくなと...
四季雑感

スポーツ談義のつもりが

テニス界では、今や18歳のシャラポアが大ブレイクしている。 先日も、浅越は日本を代表してシャラポアと戦っているのに、メディアはひたすらシャラポアを追いかけている。 そりゃああまりじゃないかといってはみても、シャラポアを応援して浅越を振り返ら...
四季雑感

車がゴミとなる日

車の運転を始めて40年近くになる。 以来、車は人と荷物を運ぶだけの道具と考えてきたが、昨今の世相をみるに、車は乗るためでなく、ひとに見せるためにあるのだと納得した。 この15年、同じ車を乗りつづけるのに違和感は持たなかったが、もはや排ガス規...
四季雑感

冬のソナタ

四国の田舎にいても、”冬のソナタ”はあちこちから聞こえてくるから、もはやこの曲を知らぬ日本人はいないという有様だ。 主旋律は子供でも楽に弾ける単調なしらべだが、なんといっても大ヒットの理由はドラマそのものにある。 むかし大当たりした”君の名...
四季雑感

江藤新平の無念

先日はじめて佐賀を訪れる機会があった。 年来の友人に佐賀人がひとりだけおり、実直なひとだけに、なんとなく佐賀の印象がよかったのである。 強いて言えば、有田の焼き物と呼子のいかが目的の旅である。 福岡から佐賀へ入ると、一面の山野は緑に輝き、人...
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勝負はほどほどに

オリンピックは地球規模の運動会であるから、終わればそれまでのことであって、次の大会までにはすっかり忘れてしまうのが、人心というものである。 今大会、素人目にも、シンクロやソフトの監督のオリンピックに賭ける情熱は尋常でなく、燃え尽きた後のすが...
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退屈に耐えるということ

今や東京では、医学関連の学会や研究会が連日のごとく催される時世となった。 医学の進歩がこれだけの発表の機会を必要としている。 われわれ地方に住むものは、その中から選んで年に数回、上京するのを常としている。 飛行機を使えば1時間ほどの距離であ...
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江戸の武士と自衛隊

一昨日、テレビでイラクに派遣されていた自衛隊員のドキュメンタリー番組があった。 今秋定年を迎えるAさんは、派遣決定と同時に、自ら挙手してイラク行きに加わった。 なんでこの時期にわざわざ危険に身をさらすのかという家族の声に対し、30年間勤め上...
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龍安寺石庭

京都での学会の帰り道、会場近くの龍安寺を訪れた。30年ぶりである。 枯山水で著名な方丈の前庭に数十人が足を止めて座り込み、ほとんど無言のまま見入っている。 旅の疲れを癒そうとするもの、石庭の白砂に描かれた観念的とも思える文様に作者の意図を見...
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本音と建前

若きスイマーたちが、日本代表をかけて競っている。 4年前、20歳でトップに躍り出た子がすでに老いて、今はたちの子に首位の座を明け渡している。 筋力は20前にピークがきて、あとは鍛えても劣えるほうが早いということか?持久力はともかく、瞬発力を...
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土佐の喘ぎ

名古屋国際マラソンを前にして、土佐礼子は心に期すものがあったろう。 名古屋のコースはいわゆる悪路で記録が出にくいといわれ、しかも試合前の土佐は1年以上足を痛めて練習もままならず、優勝の本命からほど遠かった。そこでみせた好記録での逆転勝ちは、...
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わが国の士

最近話題になっている前レバノン大使、天木直人氏の“さらば外務省”を読んだ。 そのなかで、駐米大使を務めた斉藤邦彦氏についての記述は興味深いものであった。 氏は外務省主流派のドンで、“ミスター外務省”と畏怖された人物だが、或る時、天木氏に 『...
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土佐の異骨相(いごっそう)

学会で6年ぶりに高知を訪れ、25年前、高知の東南、安芸市で青春時代を過ごした当時の仲間と旧交を温めた。 仲間から、初めて土佐に来たとき何が印象的だったか?と聞かれ、自分の歓迎会の席で、揃ってコップ酒で乾杯してくれたことと答えた。 はたちそこ...
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補償はいつまで?

医学生時代のことである。或る時、数人の仲間と宴席を囲んで、とりとめもない話をしていた。と、隣にいたK君がそばのO君に向かって、“お前んとこにはひどいめに会わされたからなあ”とやりだした。 よく聞いていると戊辰戦争の恨み節である。ちなみにKは...
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名こそ惜しけれ

総選挙直前に、悪代官、藤井の首をとって自民党支持へ流れを一挙に加速しようとした官邸の思惑ははずれた。 5時間もかけて辞職の言質を取れなかった石原大臣の狼狽と道路公団藤井総裁の徹底抗戦が浮き彫りとなっている。 藤井氏は自分の身を西郷隆盛になぞ...
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自殺を目論むひとびと

30年前、救急病院に勤務していたときのはなし。 夜間救急をしていると、自殺を図った若い女性が手首から血を流しながら運ばれてきた。 応急処置をしていると、“またこの子か。彼氏に捨てられそうになると、すぐ自殺を図って気を引こうとするんだから”と...
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競争的共存

まずは興味深い実験成績を紹介する。 グルタミン合成酵素活性の高い(増殖の早い)大腸菌と、酵素活性の低い(増殖の遅い)大腸菌を一緒に培養すると、酵素活性の高い大腸菌だけが生き残ると思うのだが、何度繰り返してみても酵素活性の低い大腸菌がある程度...
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気持ちを伝えるということ

敬愛するT教授が若かりし頃のはなし。 大学生であった先生が、はたち前の女性と恋におちたが、両親の許しが得られない。自分は大学をやめて働くから、明日駆け落ちしようということになった。相手の女性も必ずついていくと言ってくれた。 それが最後の出会...
四季雑感

アザラシ報道

アザラシの目の上に釣り針がささっている。あの角度で針を刺入するには誰かが操作しないとできまい。 心なきものがマスコミの眼を盗んで捕獲しようとして失敗したものか。なんとかしろという声が日増しにつよくなっている。 しかし、のた打ち回っているわけ...
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電報

先日夜遅くにクロネコ大和が来て、電報を受け取った。不審に思いながら空けてみると、知人から子供の受験合格祝いであった。 電報を運んできたのがクロネコであったのも、意外であったし、電報というものがまだ現存していることに、ちょっと驚きを感じた。 ...
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脳は死んでいるか?

勤務医時代のはなし。 主治医に代医を頼まれ、脳卒中で2年間寝たきりの老人を病棟回診したときのこと。 息はしているが目はうすく開いたまま、呼びかけにもまったく反応がない。 どう見ても植物人間である。 そばにいる奥さんに、意識のない人への空しい...
四季雑感

力を抜くということ

かつて当院にマスターズ水泳の全国チャンピオンが通院していて、70歳をすぎても毎日数キロの遠泳が楽しいと語っていたのを思い出す。華奢な体のあなたがどうしてそんな過酷なトレーニングに耐えられるのか不思議だというと、泳ぐのに力は何も要らないのです...
興味深い外国人

日本軍司令官 トルシエ氏

日本対ベルギー戦の瞬間視聴率は66%であったという。ロシア戦もおそらく同様であったに違いない。 とにかく、降って沸いたように俄かサッカーファンが現れ、テレビの前に集合したからこの高視聴率がうまれたわけで、連日ワールドカップのニュースを流しつ...
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