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海外紀行

海外旅行で心に残ったことを書いてみました。

ウイーン紀行

四季雑感

海外紀行

ウイーン紀行

30年ぶりにウイーンを訪れた。 「ハプスブルグ」というスイスの一豪族が、600年以上もオーストリアを支配したという由緒ある地である。 ウイーンに中世の大都市をイメージして行くと、意外に狭いのに失望する。 当時大都市といっても、人口は10万か...
海外紀行

アルプス最高峰 モンブラン紀行

モンブランの威容を期待してアルプスに出向くと、がっかりする。 富士山より1,000mも高いというのに、山頂を描く稜線は大福もちのごとき山容である。 かつてインド大陸が南極側から北上し、アジア大陸に衝突したショックでエベレスト山脈が出来上がっ...
海外紀行

モンゴメリ街 ショウ写真館

秋のサンフランシスコは最高気温20度と過ごしやすく、繁華街をはずれると、妙にひなびた風情が心地よい。 ゴールドラッシュによる外国人労働者が世界中から殺到したおかげで、このような庶民的町並みができあがったのだろう。 在住する白人は50%を切り...
四季雑感

有馬温泉

周囲の人間が有馬はよかったと口を揃えて言うものだから、お遅ればせながら出かけることにした。 どこが気に入ったのかと問うと、温泉以外何もないのがいいという。 住民ぐるみで、ひなびた風情を温存しようとしているのが良いということらしい。 神戸から...
海外紀行

トレドと石山本願寺

数年前、自宅近くの道後温泉に弥生時代の環濠集落がみつかった。 集落は幅10メートルに及ぶ史上最大規模の環濠で囲われており、周辺に住む無頼の輩からしばしば略奪の被害にあっていたことが窺われる。 昔からひたすら生産に専念するひとびとと、産物の略...
世界史ひとこま

ノブレス・オブリージュ

釜石に友人がいる。今度の大地震のあとやっと電話が通じると、津波で自宅の診療所は壊滅したが、幸い命拾いしたよと明るく言う。 釜石市は山に向かってゆるやかな斜面をなしていて、今回海に近い街の半分が消失したそうだ。彼の家もそこにあった。 学生時代...
世界史ひとこま

科学の父 ガリレオ

少年時代、寝転んで空を見上げていると、地球が回っているなどどうしても信じるわけにはいかなかった。 同時に「それでも地球は回る」といい張ったガリレオという人をいぶかしく思った記憶がある。 昭和46年、アポロ15号の月面活動が報じられるなか、ス...
海外紀行

フィレンツェ紀行

ミラノからユーロスターで2時間半、古都フィレンツェにつく。 古都というからには、古いものを手つかずで置いておこうというのであるから、近代的なインフラ整備を期待してはならない。 水道の水の出が悪いなどと苦情を言ってはいけないのである。 それに...
海外紀行

マインツ旅情

ドイツの空の玄関口は政治都市ベルリンではなく金融都市フランクフルトであり、ヒースロー(英)、シャルルドゴール(仏)と並び、ヨーロッパの代表的ハブ空港である。 マインツはフランクフルトから車で1時間という利便性があるため、ただちにそちらへ向か...
世界史ひとこま

ポルトガルとスペインの世界二分論

我が国が室町時代の後半にさしかかった頃、ヨーロッパではポルトガルとスペインが驚くべき相談をしていた。 自分たちが住むヨーロッパはさておいて、あとの世界をこの二国だけで分けてしまおうというのである。 その契機になったのは、1492年、スペイン...
興味深い外国人

ラファエル・ナダル

ジャパン・オープン・テニスに世界チャンピオンのナダルが出場するというので、勇んで出かけた。 前日の準決勝で、トロイツキ(セルビア)に何度かマッチポイントを握られながらもしぶとく切り抜け、わずか一度の逆転のチャンスをものにしたという。王者とい...
四季雑感

ヒーローの条件

はやぶさの計画が順風満帆に終わったなら、世間はこれほど大騒ぎしなかったに違いない。 なにしろ、幾多の危機を乗り越え、首の皮1枚つながった状態で、宇宙から帰還したのである。 遠くへ旅に出た子が、艱難辛苦を経て無事帰宅を果たそうとしている。 国...
海外紀行

モネの睡蓮

パリから北へ60キロ、ひたすら田園の中を進んだのち、川沿いの小さな村で車を降りると、そこがジヴェルニーだという。 生垣で囲まれた家へ足を踏み入れると、モネが後半生を過ごした睡蓮と花の住処が現れた。 といっても、庭造りの好きな老人の個人住居で...
海外紀行

ジャコメッティ

先日私用でロンドンへ出かけた際、子供に付き合って、テートモダンへ出かけた。 なんでも現代美術の宝庫だそうである。 美術館といっても、もとは火力発電所だったというだけあって壮大かつ重厚だ。 かねてから現代美術は、解説を聞かないと理解できないと...
四季雑感

敵の懐に入る

昨日の全日本剣道選手権大会は見応えがあった。 決勝の内村・高橋戦である。 小柄の内村は長身の高橋に向かい、開始早々揺さぶりをかけた。 面を取ってくれといわんばかりに、相手の懐に飛び込む無謀を繰り返した。 竹刀さばきの鋭い高橋が、飛び込んでき...
四季雑感

自殺のはなし

このところ毎年、自殺する人の数が約3万人とほぼ横ばいだという。 自殺未遂者はさらにその10倍以上という。 ともかく10年間、だれが決めたわけでもないのに毎年3万人ずつ自殺するというのだから、奇妙だと思わないわけにいかない。 文献によれば、若...
興味深い外国人

タイソン・ゲイの世界

世界陸上が終わった。 圧巻はゲイの100メートルだった。自分も学生時代、陸上短距離の選手だった。 同級生に100メートル10秒台の四国チャンピオンがいて、一緒に走ると10メートル近く引き離されたくやしい思い出がある。 当時は彼を超人のような...
四季雑感

憑依するひとびと

若い頃山が好きでよく登った。 ひとりうっそうとした森の中を歩いていると、まわりに何かいるような気配を感じた。 人ではない。 言葉に表しにくい山の精ともいうべきなにかである。 縄文時代の人口はたかだか50万である。 山に入ればまわりに人影とて...
四季雑感

もはや住むべき土地はないか

久しぶりに地球儀をみて、あらためてわが国の狭小なることを思った。 その狭き土地のことである。 都会では、目の覚めるような高値で平然と売りに出されているが、住むべきところはもう僅かだと聞くと、なんとしても欲しくなるものらしい。 室町のおわりま...
四季雑感

四国にも霊山あり

松山市の郊外久万高原から車で面河渓谷に向かい、30分ほど九十九折りの山道を登りきると、突然視界が開けて四国カルストの台地に到着する。 放牧された牛たちの間延びした動きに、下界ですり減らした神経の愚かさを恥じながら山荘に腰を落ち着け、一夜を過...
四季雑感

ときには死生観も

死生観に関する論客を見渡す限り、故キュウプラロス氏ほど光芒を放つ人物はいないとおもわれる。 彼女は若い頃、第2次大戦後の被災者救護のため、国際ボランチア奉仕団にはいり、ポーランドのマイダネク強制収容所に出向きます。 ここで、ナチの犠牲者であ...
海外紀行

トスカ

学生時代、友人の紹介でレナータ・テバルディーを知った。 帝王といわれたカラヤン全盛の当時、ソプラノはアリア・カラスの独壇場にみえたが、その艶やかさは日本人好みとは思えなかった。 友人からカラスに対抗できるのはテバルディーしかいないよと言われ...
四季雑感

死後の世界をみたか

インターネットで誘われ見知らぬひとと集団自殺を図るという。 いかなる情報も安易に入手できる社会の生んだ悲劇といえるが、“死にたい”と“死ぬ”には大きな隔たりがあって、“死にたい”ひとが集まってはじめて、思い切って“死ぬ”へ近づくようにおもわ...
四季雑感

戌年となり

街で見かける犬についてである。 年が明け、いきなり面目をほどこしたかの如き扱われようである。 かれらも戸惑いを隠せないが、なんの数日のことである。 すぐ平穏な日々に戻る。 まわりには数多くの動物がいるが、ひとに最も気に入られている点では、犬...
四季雑感

証人喚問

耐震強度偽装問題のことである。 昨日の証人喚問を聞きながら、口語と文章語のへだたりを嘆息した。 設計を依頼したひと。設計をしたひと。それを許可したひと。建てたひと。それを売ったひと。 ことごとく証人となって、なお犯人は不在である。 舌先三寸...
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