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海外紀行

海外旅行で心に残ったことを書いてみました。

イギリス紳士のこと

四季雑感

海外紀行

イギリス紳士のこと

機会あってイギリスには7~8回出かけた。無論、長期滞在したわけではない。が、何度か訪れるうち、彼らから我々日本人と違う、なにごとかを感じるようになった。  多民族国家 イギリス イギリスは在住する外国人の出身国も人数も、世界で最も多い国のひ...
興味深い外国人

デカルトの思い出

刺激のない田舎町にいて、なんとなくその日を過ごしているだけの高校生にとって、いきなり文系理系のどちらに行くのかと言われても、確固たる信念などないものが多かった。教師より、ヨーロッパの同年代の子は、すでに職業を意識した専門分野に進学していると...
四季雑感

稀有な体験

地震で家が倒壊したのが、出掛けた直後だったとか、墜落した飛行機に乗り遅れたため九死に一生を得たなどというニュースを聞くたび、たまには、そんなことも起こりうるだろうとは考えるのだが、それが何度も繰り返すとなると、偶然だとはいえない何かを感じる...
四季雑感

台風の目

台風はなにも最近になって来始めたわけではない。平安期の「扶桑略記」に台風襲来の記述があり、鎌倉期には博多に押し寄せた10万の元の大軍が、台風によって沈没している(弘安の役)。 昔から、わが国は台風とは切っても切れない間柄である。 悪意に満ち...
四季雑感

サッカーと私

姉が結婚すると聞いたとき、相手が会社員としか知らされなかったし、24,5なら結婚するのは当然だろうという程度の記憶しか残っていない。昭和45年ごろのことで、当時、自分は呑気な大学生だった。 結婚式に出て、義兄が日本代表のサッカー選手で、しか...
世界史ひとこま

唐の都・長安

占領の危機 太平洋戦争のあと我が国が米軍の占領下におかれたことは記憶に新しいが、そのほかに2度、我が国は占領の危機に陥ったことがある。 一度目は662年、白村江の戦いにおける敗戦、もう一度は元の大軍に襲われた元寇の役である。 白村江の敗戦の...
世界史ひとこま

洛陽のこと

9秒98 4年前、高校生だった桐生選手が100㍍を10秒19で走ったニュースは、驚きをもって迎えられた。近い将来9秒台で走る最初の日本人になるだろうと、多くのものが予想した。それだけに今回の9秒98は、本人にも我々にも待ちわびた朗報といえる...
世界史ひとこま

モンゴル軍のこと

少年のころ、毎日馬に乗って生活している遊牧民の子供を、羨ましく思った記憶がある。学校にも行かなくていいし、宿題もない。 毎日馬に乗って草原を走り回り、羊の群れに青々とした草を食べさせながら、その中から夜の食卓にのぼる羊を選ぶというのであるか...
四季雑感

士農工商の記憶

近年、明治という言葉を聞くことも少なくなったが、亡父はかろうじてその明治末年の生まれである。本人は格別それを誇りにしていた。 一方、母親は戦時下、女学校に勤務していたある日、喜々として帰宅した父親から、「結婚が決まったぞ」と告げられた。当時...
四季雑感

旧き良き土佐は今?

いごっそう 最近は「いごっそう」がいなくなりましたと、土佐の友人から聞き及んだ。 いごっそうは異骨相とも書き、いかめしい風貌を想像するが、じつは見た目ではない。強烈な自己主張、筋を通す、容易に迎合しない、他人の話を聞かないなどから髣髴とされ...
四季雑感

ツバメ問答

今年もツバメが飛来した。我が家の軒下にもやってきてガヤガヤとかまびすしい。すでに30年来の風景である。 古来、ツバメは稲の害虫を退治してくれる益鳥と教わってきたうえに、森の中に巣をつくらず、人家の軒下に居を構えるため、他の鳥たちより、親しみ...
四季雑感

土地は誰のものか

加賀120万石、伊達62万石という。 一石はひとりが一年間に食べる米の量に相当するから、これに年貢率をかけると、どれほどの戦闘員を養えるかが計算できる。 つまり石高は大名の財力だけでなく、保有する戦闘能力を誇示するものであった。 江戸時代の...
世界史ひとこま

錬金術と幻想

今や錬金術といえば利殖目的の不動産投資や悪徳商法を指すことが多いが、もともとは一般の物質を完全な物質に造り替えようとする技術を指した。錬は修練、鍛錬、錬成など、ねり、鍛えるという意である。 とくに中世のヨーロッパでは、「賢者の石」なる触媒を...
興味深い外国人

荘子の自由論

老子が逝って100年ののち(紀元前300年頃)、荘子は殷のあとにできた宋の国に生を享けた。 老荘と一括りにして扱われるが、無論両者に面識はない。世は群雄割拠の戦国時代であり、殷人の移住した弱小国・宋は、周辺国から軽視されること甚だしかったと...
四季雑感

生態系のバランスについて

私たちは野山に出かけ、川のせせらぎや鳥のさえずりを聞くと、なんと自然は美しく調和に富んでいると心豊かになるのであるが、本当は事実から目をそらしているだけで、自然がそんな善意で動いていないことは、誰もが承知している。 食物連鎖で植物は昆虫に、...
四季雑感

視るということ

40年前の非常識は、今や常識であるというはなしである。 当時、初期の胃癌には盛り上がるものとへこむものがあるというのに、初期の大腸癌には盛り上がるものしかないといわれていた。 どうも変だなと誰もが思っていたが、内視鏡検査をしても、へこんだ癌...
興味深い外国人

老子、道教の神となる

今から2千数百年前の老子の時代、中国は群雄割拠した戦国の世である。為政者はいかにして領土を広げ、自分の国を富ませるかに執心した。 このため、全国に諸子百家が現れ、リーダーのとるべき統治論を力説した。 その最大勢力が孔子を始めとする儒家であり...
海外紀行

パリ紀行(2)

パリ郊外の古城群のひとつ、アンポワーズ城を訪れた時のこと。 城の出口につくられた小さな土産物店に10人ほどの白人客が並んでいた。自分もその列に並んで順番を待っていたのだが、しばらく経ってもまったく動きがない。不審におもってカウンターのなかを...
興味深い外国人

デカルトとパスカルの相克

デカルトとパスカルは、ともにフランス人で稀代の数学者、哲学者である。 デカルトは3代将軍・徳川家光と同時代人であり、32歳で思索の世界にこもり、独自の世界観、宇宙感を構築していた頃、パスカルはまだ少年時代にいる。 当時宗教世界を覆っていたの...
海外紀行

スウェーデン紀行

1979年の秋、学会出席のためスウェーデンへ出発した。アンカレッジ経由であったから、エコノミークラスの狭い客席に閉じ込められ、16時間、身動きがとれず、もう外国はこりごりとため息をついた記憶がある。 ストックホルムについた日、空港は「ボルボ...
海外紀行

プラハ紀行

霧にけぶるモルダウから望む冬のプラハは、音も色も息を潜めたかのごとく、ひっそりしている。 2度にわたり世界大戦の戦禍を逃れたこの街は、中世を手付かずに残して、訪れるもののノスタルジーを誘うに十分な風情である。 街の案内をしてくれたK氏は、プ...
海外紀行

ベルリン紀行

ベルリンで知り合ったI氏は、在独30年の日本人である。 長らく西ドイツのミュンヘンに住み、牧歌的風土がとても気に入っていると話してくれた。 彼によると、北海に近く、荒々しい気風のハンブルグとは犬猿の仲で、ライバル意識も尋常でない。が、首都ベ...
海外紀行

ベルギー紀行

ベルギーは人口1千万、四国と九州の中間くらいの小国である。 とくにベルギー語というものはなく、北部(フランドル地方)はオランダ語、南部(ワロン地方)はフランス語が公用語で、首都ブリュッセルでは、両者が公用語である。 オランダ語圏とフランス語...
海外紀行

オランダ・ライデン紀行

16世紀は「太陽の没することなき国」スペインの時代である。 スペイン・ハプスブルグ帝国の盟主・フェリペ2世はプロテスタントという疫病からカトリックを守る守護神であり、カトリック世界の期待を一身に集めている。 我が国では織田信長の時代にあたる...
海外紀行

エズ村(南仏)散策

学生時代、ニーチェは、若者の鬱積を解消する清涼剤のように捉えられていた気がする。 しかし、その思想は斬新ではあるが、飲み込むのは容易でなかった。 多くの若者が、手塚富雄先生の訳された「ツラトストラはかく語りき」の超人思想を前に、呆然と立ち尽...
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