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四季雑感

四季折々、思いつくままに書いてみました。

生態系のバランスについて

四季雑感

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生態系のバランスについて

私たちは野山に出かけ、川のせせらぎや鳥のさえずりを聞くと、なんと自然は美しく調和に富んでいると心豊かになるのであるが、本当は事実から目をそらしているだけで、自然がそんな善意で動いていないことは、誰もが承知している。 食物連鎖で植物は昆虫に、...
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視るということ

40年前の非常識は、今や常識であるというはなしである。 当時、初期の胃癌には盛り上がるものとへこむものがあるというのに、初期の大腸癌には盛り上がるものしかないといわれていた。 どうも変だなと誰もが思っていたが、内視鏡検査をしても、へこんだ癌...
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有馬温泉

周囲の人間が有馬はよかったと口を揃えて言うものだから、お遅ればせながら出かけることにした。 どこが気に入ったのかと問うと、温泉以外何もないのがいいという。 住民ぐるみで、ひなびた風情を温存しようとしているのが良いということらしい。 神戸から...
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ヒーローの条件

はやぶさの計画が順風満帆に終わったなら、世間はこれほど大騒ぎしなかったに違いない。 なにしろ、幾多の危機を乗り越え、首の皮1枚つながった状態で、宇宙から帰還したのである。 遠くへ旅に出た子が、艱難辛苦を経て無事帰宅を果たそうとしている。 国...
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敵の懐に入る

昨日の全日本剣道選手権大会は見応えがあった。 決勝の内村・高橋戦である。 小柄の内村は長身の高橋に向かい、開始早々揺さぶりをかけた。 面を取ってくれといわんばかりに、相手の懐に飛び込む無謀を繰り返した。 竹刀さばきの鋭い高橋が、飛び込んでき...
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自殺のはなし

このところ毎年、自殺する人の数が約3万人とほぼ横ばいだという。 自殺未遂者はさらにその10倍以上という。 ともかく10年間、だれが決めたわけでもないのに毎年3万人ずつ自殺するというのだから、奇妙だと思わないわけにいかない。 文献によれば、若...
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憑依するひとびと

若い頃山が好きでよく登った。 ひとりうっそうとした森の中を歩いていると、まわりに何かいるような気配を感じた。 人ではない。 言葉に表しにくい山の精ともいうべきなにかである。 縄文時代の人口はたかだか50万である。 山に入ればまわりに人影とて...
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もはや住むべき土地はないか

久しぶりに地球儀をみて、あらためてわが国の狭小なることを思った。 その狭き土地のことである。 都会では、目の覚めるような高値で平然と売りに出されているが、住むべきところはもう僅かだと聞くと、なんとしても欲しくなるものらしい。 室町のおわりま...
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四国にも霊山あり

松山市の郊外久万高原から車で面河渓谷に向かい、30分ほど九十九折りの山道を登りきると、突然視界が開けて四国カルストの台地に到着する。 放牧された牛たちの間延びした動きに、下界ですり減らした神経の愚かさを恥じながら山荘に腰を落ち着け、一夜を過...
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ときには死生観も

死生観に関する論客を見渡す限り、故キュウプラロス氏ほど光芒を放つ人物はいないとおもわれる。 彼女は若い頃、第2次大戦後の被災者救護のため、国際ボランチア奉仕団にはいり、ポーランドのマイダネク強制収容所に出向きます。 ここで、ナチの犠牲者であ...
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死後の世界をみたか

インターネットで誘われ見知らぬひとと集団自殺を図るという。 いかなる情報も安易に入手できる社会の生んだ悲劇といえるが、“死にたい”と“死ぬ”には大きな隔たりがあって、“死にたい”ひとが集まってはじめて、思い切って“死ぬ”へ近づくようにおもわ...
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戌年となり

街で見かける犬についてである。 年が明け、いきなり面目をほどこしたかの如き扱われようである。 かれらも戸惑いを隠せないが、なんの数日のことである。 すぐ平穏な日々に戻る。 まわりには数多くの動物がいるが、ひとに最も気に入られている点では、犬...
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証人喚問

耐震強度偽装問題のことである。 昨日の証人喚問を聞きながら、口語と文章語のへだたりを嘆息した。 設計を依頼したひと。設計をしたひと。それを許可したひと。建てたひと。それを売ったひと。 ことごとく証人となって、なお犯人は不在である。 舌先三寸...
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判官びいき

NHKのドラマの高視聴率をみると、今でも義経人気は相当のものらしい。ともかく、わが日本の生んだ初めてのヒーローである。 しかし、ヒーローともなれば突如として歴史の舞台に現れ、大衆の熱望する夢を一挙に叶えるという大活躍をしなければならないから...
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恐るに足らず近所の目

どんな社会でも、ひとりで生きてはいけぬから、まずは隣人を頼るのが世の常であった。 ところが、終夜開いているコンビニやスーパーが氾濫したおかげで、隣家の助けを求めることなど、ついぞ絶えて久しくなった。 さらに加えて、知らない人とは口をきくなと...
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スポーツ談義のつもりが

テニス界では、今や18歳のシャラポアが大ブレイクしている。 先日も、浅越は日本を代表してシャラポアと戦っているのに、メディアはひたすらシャラポアを追いかけている。 そりゃああまりじゃないかといってはみても、シャラポアを応援して浅越を振り返ら...
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車がゴミとなる日

車の運転を始めて40年近くになる。 以来、車は人と荷物を運ぶだけの道具と考えてきたが、昨今の世相をみるに、車は乗るためでなく、ひとに見せるためにあるのだと納得した。 この15年、同じ車を乗りつづけるのに違和感は持たなかったが、もはや排ガス規...
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冬のソナタ

四国の田舎にいても、”冬のソナタ”はあちこちから聞こえてくるから、もはやこの曲を知らぬ日本人はいないという有様だ。 主旋律は子供でも楽に弾ける単調なしらべだが、なんといっても大ヒットの理由はドラマそのものにある。 むかし大当たりした”君の名...
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江藤新平の無念

先日はじめて佐賀を訪れる機会があった。 年来の友人に佐賀人がひとりだけおり、実直なひとだけに、なんとなく佐賀の印象がよかったのである。 強いて言えば、有田の焼き物と呼子のいかが目的の旅である。 福岡から佐賀へ入ると、一面の山野は緑に輝き、人...
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勝負はほどほどに

オリンピックは地球規模の運動会であるから、終わればそれまでのことであって、次の大会までにはすっかり忘れてしまうのが、人心というものである。 今大会、素人目にも、シンクロやソフトの監督のオリンピックに賭ける情熱は尋常でなく、燃え尽きた後のすが...
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退屈に耐えるということ

今や東京では、医学関連の学会や研究会が連日のごとく催される時世となった。 医学の進歩がこれだけの発表の機会を必要としている。 われわれ地方に住むものは、その中から選んで年に数回、上京するのを常としている。 飛行機を使えば1時間ほどの距離であ...
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江戸の武士と自衛隊

一昨日、テレビでイラクに派遣されていた自衛隊員のドキュメンタリー番組があった。 今秋定年を迎えるAさんは、派遣決定と同時に、自ら挙手してイラク行きに加わった。 なんでこの時期にわざわざ危険に身をさらすのかという家族の声に対し、30年間勤め上...
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龍安寺石庭

京都での学会の帰り道、会場近くの龍安寺を訪れた。30年ぶりである。 枯山水で著名な方丈の前庭に数十人が足を止めて座り込み、ほとんど無言のまま見入っている。 旅の疲れを癒そうとするもの、石庭の白砂に描かれた観念的とも思える文様に作者の意図を見...
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本音と建前

若きスイマーたちが、日本代表をかけて競っている。 4年前、20歳でトップに躍り出た子がすでに老いて、今はたちの子に首位の座を明け渡している。 筋力は20前にピークがきて、あとは鍛えても劣えるほうが早いということか?持久力はともかく、瞬発力を...
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土佐の喘ぎ

名古屋国際マラソンを前にして、土佐礼子は心に期すものがあったろう。 名古屋のコースはいわゆる悪路で記録が出にくいといわれ、しかも試合前の土佐は1年以上足を痛めて練習もままならず、優勝の本命からほど遠かった。そこでみせた好記録での逆転勝ちは、...
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